一枚のポストカードが紡ぐストーリー vol.4

〜プリンス、食べてみたい殿下印の豆腐

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タイトル/PRINCE, MINNEAPOLIS 1991 撮影/Herb Ritts

 

2000年頃からか、京都生まれの男前豆腐店より奇抜なネーミングの豆腐が全国に知れ渡った。この時もしやと調べたが、あては外れていた。学生時代、音楽仲間にプリンスにかぶれたギター弾きHがいた。アフロヘアに大ぶりのサングラス、長いもみあげに無精ひげ。いかにもなスタイルだけど、プリンスと違って大柄で骨格の張り出したホームベース顔に小さな目。甲高い声で喋り、いつも仲間のことを気遣ってくれる優しいオトコだった。パープル号と名付けられ、ヘタな彩色を施された自転車でギターを背負ってやってくる姿は軽音学部の名物的存在だった。同じバンドではなかったけど一度合同合宿で気が合って以来の仲。狭い下宿で酒を酌み交わすさなかも片時もギターを離さない、熱くファンクを語る姿が今でも思い出される。卒業後、彼のバンドは都内のライブハウスで頭角を現す存在となったが3年あまり経過後、実家である老舗の豆腐屋を継ぐために京都へ帰ったと聞いた。社会人になって一度も会ってないけど今でもプリンスの音楽を聴くとき、あるいは結局違ったけどスーパーで「特濃ケンちゃん」豆腐を見かけるたびにHのことを思い出す。

さて話は殿下だ。2016年はあと4ヵ月を残しているが、間違いなく今年の音楽界の最大トピックは、享年57歳「あまりにも早すぎたプリンスの死」だろう。あらゆる分野の天才に共通する特徴でもあるけど彼もまた、その多作ぶりで知られている。尽きることのないアイデア、音楽への愛情、レコーディングへの執着が、結局彼の命を縮めてしまったと考えると、じつに皮肉だ。幾多の楽器を操り楽曲を生み出すその異才は、数多くのトップシングルとプラチナアルバムを生み出した。ロック、ファンクそしてあらゆる音楽的要素を取り込んだ独自のサウンドは常に進化を繰り返し、これからも活躍が期待された。まさにクリエーティブの神に愛された存在だった。

今年は、豆腐屋の殿下Hにとっても大きなショック、喪失の年だっただろう。老舗の豆腐屋はうまくいっているのだろうか。意外とベンツとか乗ってプリンスを大音量でかけてご機嫌かもしれない。あるいは毎日のルーティンにやさぐれてギターをかき鳴らしているか、ひょっとしたら情熱冷めやらず今も京都のライブハウスで演奏しているのかも。おまえとまたプリンスの話がしたいよH。一枚のポストカードからは、16ビートのギターカッティングが聴こえてくる。

 

postmarkPostmark (ポストマーク)

ポストカードの専門店。イベントなどにも出店するが、基本ウェブだけで営業。100%輸入物のポストカード、主にモノクロームの写真作品、ミュージシャンや芸術家、映画俳優、各界の有名人のポートレートや、時代を映し出すスナップ写真、絵画やアート作品などのポストカードを取り扱う。

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