一枚のポストカードが紡ぐストーリー vol.6

究極の自撮り男、 サルバトール・ダリ

Text by.Takashi Okada(Postmark)

05-1

いま都会は、10年ぶりに開催されるアジア最大規模の「ダリ展」に沸いているらしい。ケッ、京都と東京だけですか…12月12日まで国立新美術館で開催されているので時間と財布に余裕があるヒトは、観に行ってもいいかもよ。そこにも展示されている写真が、タイトルのついたこの2点、写真家フィリップ・ハルスマンによるものだ。ダリは、その特異なセルフプロデュース能力で世界にその名を知らしめ、芸術家として初めてポップアイコンとなり、あらゆるメディアの寵児となった。もちろん彼の作品ありきだが、カメラの前での奇行や意味不明なパフォーマンス、そしてなんといってもあの特徴的な口ひげが彼を有名にした。どれだけプロデュース能力が高いか例を挙げると、弊社が200点からある商品(ポストカード)を並べてイベント販売する際、実際に家族連れの子供たちが、目ざとく見つけてはかなりの確率で「ダリだ!」と声を出し指さしてゆく。ダリのほかにそうやって名前を呼ばれる有名人は1人もいない。もちろん教科書で見ているのだろうが、その死後30年近くたって極東の端っこの小学生に明確に認知されているなんて凄いことだ。

さて話はダリとフィリップ・ハルスマンだ。この2人のコラボレートで、2冊の写真集が出ている。もちろん被写体はダリで、撮影はハルスマン。あらゆる思いつきとアイデアを試して自分撮り(正式には自撮りではないけど)に挑んでいる。極めつけが「死の快楽の中で(ダリと髑髏)」。女体髑髏の前でポーズをとるオレ様、もうやりたい放題だ。そして 「ダリ・アトミクス」のほうは、浮遊をテーマに、宙を舞う3匹の猫、バケツから撒かれた水、空中に浮かぶダリの姿をとらえるため完成までに28回の撮り直し、じつに6時間を要したという大作だ。ローテクでもイマジネーションと執念があれば勝利するという見本だ。

巷にはSNSで頻繁に自分の姿をアップする自撮りクンが結構目につく。しかし、その画像のお手軽で貧相なことといったら泣けてくるものばかりだ。まだ女子の自撮ラーの方が、ファッションだったりダンス、メイク、ネイルなどで力が入りまくった作品が多い。勝ち負けじゃないけど、やるんなら何事も徹底してやらなきゃ面白くない。いまギクリとしたナルシスお手軽自撮りGUYZは、ダリの写真集でも眺めて自撮り道を探求するように。「天才になるには天才のふりをすればいい」とはダリの言葉である。

 

postmarkPostmark (ポストマーク)

ポストカードの専門店。イベントなどにも出店するが、基本ウェブだけで営業。100%輸入物のポストカード、主にモノクロームの写真作品、ミュージシャンや芸術家、映画俳優、各界の有名人のポートレートや、時代を映し出すスナップ写真、絵画やアート作品などのポストカードを取り扱う。

URL: www.postmark.in

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