折り紙と建築 三つ子の魂 . . .

IMG_6566子どもの頃、折り紙は女の子の遊び、というイメージがあったので「折り紙が好きだ」と公言するのを恥ずかしく思っていた。そして、いつしか折り紙は自分の生活の中から消え、そのまま大人になった。それが昨年、急に折り紙熱が再燃しだした。実に30年ぶりのことである。マニアックな作品集を何冊も買って片っ端から折ったり、たまにはオリジナル作品に挑戦してみたりしている。折り紙は趣味もしくは仕事の息抜きなので、普段は建築との関係は考えないようにしているのだけれども、いい機会なのでちょっと考えてみたい。  自分の中で折り紙は不切正方形一枚折りと決めている。これは字のごとく正方形一枚からハサミを使わずに折ることで、正方形から形を作るのに必要な角を、必要な数だけ折り出すためには、それぞれの角を形作る線をうまい具合に関連付けながら配置していく必要がある。これは限られた敷地や予算の中で、必要な機能や要望を互いに関連付けながら配置していく建築のプランニングに似ている。一枚の紙から多くの角を必要な大きさで出すためには、できる限り効率的に角を配置する必要があるが、これは、最近関わることの多い狭小住宅に必要な思考とよく似ているし、それができるはずだという可能性への信頼は折り紙によって培われたのかもしれない。  とりあえずやってみながら試行錯誤を繰り返すことは建築のプランニングと共通しているし、単純に手先の器用さが必要なのも模型作りと共通する。建築の道へ進むことになったことと、こどもの頃に折り紙にハマっていたことも無関係ではないだろう。単純な正方形が次々と形を変え、さまざまな魅力的な造形へと至ることの不思議さや可能性は、幼い私の心を躍らせた。その経験は今、建築を通してクライアントと共有できるようなワクワク感として、今も生きている。一つ違うのは、あの頃は、誰かが創りだしたワクワク感を受け取ることでそれを共有する立場であったのが、今は、ワクワク感のもとを創りだす立場に変わったことである。やってることは子どもの頃と変わらないけれども、もしかしたらそれって大人になれたということなんじゃないだろうか。よく考えてみると、こんな幸せなことってないなぁ。  ところで、GUYZの皆さんの中にはどんな三つ子の魂が生き続けているんだろう。誰かのそれに触れる一瞬に立ち会えることも、大人の男のひそかな特権であるに違いないのである。

オノケンさん写真太田則宏建築事務所

住宅設計がメインだが、店舗、リノベーションなどにも意欲的に取り組む。また、依頼者の予算の範囲内で、こだわりの空間を共に造りあげてくれるので安心だ。施工例や事務所の概要などは下記のwebサイトをチェック。
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