一枚のポストカードが紡ぐストーリー vol.2 

160604_Serge_01〜セルジュ・ゲンズブール、 出口なしの愛

セルジュ・ゲンズブールは、フランスの作詞作曲家、プロデューサーにして歌手、俳優にして映画監督。まさにマルチなタレントで活躍し、反体制的な作風・姿勢を貫き、スノビズムを笑い飛ばし、酒と煙草と女に溺れた “世紀のモテ男”だ。彼のことを知ったのは僕がまだ20代の頃だった。彼の歌は、正直歌なのか語りなのかガナリなのかよく分からないし、その独自の歌詞世界を理解するほどの知的作業にも縁のなかった僕は、もっぱら彼のスタイルやファッション、なんといっても「酒と煙草と女」という側面に強烈に引かれ、そしてかぶれた。女性へのアプローチはからきしだったけど、無理して強いジタン(フランスの煙草)を吸い、ただただ強い酒をあおり、あげくにバーのカウンターで酔いつぶれる日々を過ごした。  ゲンズブールの最初の妻はダリの愛人。以来アンナ・カリーナ、フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキンにバンブーと、次から次へと美女と浮き名を流した。ダブルミーニングな言葉遊びを多用、ときにメタファーを使い、ときに露骨な表現の性的歌詞を好んで用いた。無精ひげでしばしば酔ったままテレビに出演、500フラン札に火をつけたり、ホイットニー・ヒューストンにむかって“I want to fuck you”と発言した。「ロリータ調教師」と呼ばれ、フレンチロリータ・ブームを作り出した。フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」のレゲエ版を作り、右翼からは激しいバッシングを受けた。「ジェーン・バーキンのどこが好きか?」という質問に対し「彼女の心の中にいる俺」と答えた。60年代から70年代にかけてフランスのポピュラー音楽において中心的な役割を果たし、亡くなってからも音楽やファッション、その存在自体が影響力を放ってやまない男。美女と諧謔と酒に生きた酔いどれ詩人ゲンズブールだけど、実は幼いころ、憧れの少女から「醜い人は嫌い」と言われ、以来自らのルックスについて強烈なコンプレックスを持っていたといわれている。だからこそ研ぎ澄まされた美意識が確立したのかもしれない。うわべだけに憧れまねした僕とは当然ながら持っているモノ(ここダブルミーニング!)と行動がまったく違うのだ。バーにたたずみ煙草をくゆらせるゲンズブールのポートレートは、ほろ苦くも、いまなお憧れの一枚。ときに静かに部屋の片隅から「オマエは何がしたいんだよ」と語りかけてくる。

 

 

postmarkPostmark (ポストマーク)

ポストカードの専門店。イベントなどにも出店するが、基本ウェブだけで営業。100%輸入物のポストカード、主にモノクロームの写真作品、ミュージシャンや芸術家、映画俳優、各界の有名人のポートレートや、時代を映し出すスナップ写真、絵画やアート作品などのポストカードを取り扱う。

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