一枚のポストカードが紡ぐストーリー vol.10 

ザ・ビートルズ、 という神々

Text by.Takashi Okada(Postmark)

誰しも音楽に目覚める時期というものがあるだろう。オイラの場合、それは中学1年の夏だった。それまでも歌謡曲、拓郎や陽水あるいはカーペンターズなど、そこそこ聞いてはいたけど、それこそ朝から晩まで狂ったように聞いてどっぷりと浸かったのはビートルズが初めてだった。中3の頃、ふと思い立ちビートルズの「レット・イット・ビー」の歌詞を訳してみたことがある。多分、進路のことで悩んでいた時期だったんだね。歌詞はざっとこんな感じ。 「僕が苦境に立ったとき、いつだってマリア様が現れて叡智の言葉をくれるんだ。なるようになるさ、なすがままに」 オイラは思った。「え〜マリア様も仏様も現れてくれませんし、助けてくれませんけど!」「ほんとに “ なすがまま ” でいいんですか!」と。それでも、この曲を繰り返し聴いていると、心が次第に静けさを取り戻し、自然と “ なすがまま ” でいいというか、変な焦りや不安から解放されていく自分を感じていた。「そうだ、僕には信仰心というものはないけど、その代わり僕の傍らには、いつもジョンやポールがいてくれる」と。そのときから、ちょっと大げさだけど音楽がオイラの信仰となった。

 

その後、ポップスやロックに限らず、クラシックやジャズ、そしてカテゴリーにとらわれない色んな音楽に出合い、バンド経験や様々なライブを体験して今に至った。そしてこの歳になって確信することは、「音楽の力は偉大である」「音楽こそが人類の発明した最高のものである」という事実だ。そう、マジでオイラは「音楽の力」を信じている。だって考えてみてほしい。人種や言語や国境の壁を越えて一瞬で何千何万という人の心を掴み、一つにし、弾ませ、癒やし、浄化してくれるものが、音楽の他にあるだろうか。その点、いかなる文化、宗教、芸術もまったく歯が立たないと思うのだ。「音楽だけが世界語であり、翻訳される必要がない。そこにおいては魂が魂に働きかける」とは「音楽の父」バッハのお言葉だ。

 

中3のオイラにとって神はビートルズだけだったけど、いまやオイラの中には沢山の神々=ミュージシャンが存在する。いちいち数え挙げたらきりがないほどだ。でもこの国は、八百万の神々が存在し、そして他国やあらゆる宗教の神々にさえ寛容なところだから、それもありかな。一人の神様に絞るなんて難しすぎるし、到底無理。それに、そんなの退屈だよね。

 

 

postmarkPostmark (ポストマーク)

ポストカードの専門店。イベントなどにも出店するが、基本ウェブだけで営業。100%輸入物のポストカード、主にモノクロームの写真作品、ミュージシャンや芸術家、映画俳優、各界の有名人のポートレートや、時代を映し出すスナップ写真、絵画やアート作品などのポストカードを取り扱う。

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