一枚のポストカードが紡ぐストーリー vol.11

ルー・リード ワイルド・サイドを歩け

Text by.Takashi Okada(Postmark)

LOU+REEDさて5月だ。この “ オトナの男の鹿児島フリーマガジンGUYZ ” も創刊から1年が経とうとしている。女だらけのフリーペーパー界に旋風を巻き起こすべく立ち上がったイカレたGUYZスタッフ達に愛と敬意を込めて今回はこの曲を捧げたい。

 

それは2013年に死去したロックスター、ルー・リードの代表曲であり最大のヒット作である「Walk on the Wild Side/ワイルド・サイドを歩け」だ。トランスジェンダー(性別越境者)をモデルとして書き上げた強烈な歌詞世界と、美しくも淡々としたスキャットが印象的な名曲。イントロのベースとギターのリフが流れ出したとたん、マッチの炎のような小さくも温かな安らぎが灯り、「Walk on the Wild Side」という、つぶやきにも似たフレーズが、孤独な男たち、いや性別を超越したあらゆる人たちの心に、静かな力強さと勇気を与えてくれる。 思えば、ルー・リードの人生こそが、まさにワイルド・サイドを歩き続けた人生だった。美しいメロディーを書いたと思えば、不穏なノイズで破壊的な演奏を繰り返した。パンクでありながらも文学的な歌詞世界。定着を嫌い常に新しい刺激、アバンギャルドな体験を求め、ジャズミュージシャンやメタリカともコラボレートした。ステージ上でヘロインを打ったこともあったし、1時間に及ぶノイズだけのアルバムを制作したこともある。美少年と婚約もしたし、パティ・スミスには「あんたみたいに嫌なヤツがどうしてあんなに美しい音楽を書けるの?」と言われた。ホワイトハウスでの演奏の際、音量を下げるよう要請されるが「これがオレのアートなんだ」と無視。盟友デビッド・ボウイをフルボッコにしたこともあった。しかしながら、ただの乱暴者ではない。その歌詞とメロディーからは優しさと繊細さを、確かに感じ取ることができた。

 

「ワイルド・サイドを歩け」。この言葉は今こそ、息苦しいこの国で暮らすGUYZにふさわしくはないだろうか。空気を読んだり、顔色うかがったり、忖度(そんたく)したりは、もうウンザリだ。風車に向かって突進するドン・キホーテで構わない。笑われるのを恐れず、孤立を恐れず、ワイルド・サイドを歩こう。そして、どうしても孤独に耐えきれなくなったら、この曲を聞いてウイスキーを煽ればいい。スタッフのみならず、全てのGUYZと自分自身にこの曲を捧げたい。1年間ありがとう。アディオス!

 

 

postmarkPostmark (ポストマーク)

ポストカードの専門店。イベントなどにも出店するが、基本ウェブだけで営業。100%輸入物のポストカード、主にモノクロームの写真作品、ミュージシャンや芸術家、映画俳優、各界の有名人のポートレートや、時代を映し出すスナップ写真、絵画やアート作品などのポストカードを取り扱う。

URL: www.postmark.in

Facebook: www.facebook.com/postmark1123

 

 

関連記事

PICK UP

COLUMN
2017.8.3

自宅の屋上がアウトドアスペースに!

晃栄住宅が提供する“第二のリビング” 屋上庭園で生活をもっと楽しく! ニーズに合わせてさまざまな使い方ができる、晃栄住宅の屋上庭園。 今回は、日置市…

MOST VIEWED

ページ上部へ戻る