一枚のポストカードが紡ぐストーリー vol.3

003_Miles&Greco_01〜忘れられないオンナ、 左岸の女王グレコ

大抵のGUYZなら、カミさんには言えない忘れられないオンナの1人や2人は、いるかもしれない。クラスで好きだったあのコ。学生時代付き合っていたあのコ。若くてイキがってホントは互いを必要としていたことをあの頃は気付いてさえいなかったと、バーの片隅でふと思い出したりして。もしかして「あのコと違う家庭を築いていたのかも」なんてショーモナイ思いに遠い目をしたことがある人も多いだろう。このポストカードのオトコとオンナは、ジャズの帝王マイルス・デイビスと、フランスの歌手ジュリエット・グレコ。マイルスにとっての、そんな忘れられないオンナが、きっとこのグレコだったに違いない。1949年のマイルスといえば、まだリーダーアルバムを1枚も世に出す前、いわばペーペーである。彼のペットに手をかけているグレコは、すでにパリ左岸サンジェルマン・デ・プレ(かつて知識人や芸術家の集まる場所としてフランス文化を先導していた)の人気者であった。演奏旅行でパリを訪れたマイルスは、一発でグレコの魅力に取り憑かれる。2人は結婚したとも伝えられているが、その仲は2週間という短いものだった。 当時のマイルスは薬物依存だったが、ニューヨークに帰り、グレコに会えない寂しさから一層薬物へどっぷりハマったともいわれている。 マイルスが音楽を担当した映画「死刑台のエレベーター」もグレコのアテンドだったし、サウンドトラックはグレコへの思いをつづった旋律ともいわれている。 後にマイルスは「グレコは、初めて本気で愛した女性だった」とまで語ってる。 一方グレコは、フランス人にしては珍しい黒髪に、黒ずくめの衣装というエキゾチズムあふれるスタイルで、50年代に一躍フランスのトップスターとなり左岸の女王と呼ばれるようになる。彼女はジャン・ポール・サルトルやボリス・ヴィアンらアーティストのインスピレーションを刺激し、彼らから楽曲を提供された。前回紹介した“世紀のモテ男”セルジュ・ゲンズブールとも浮き名を流し楽曲を提供されている。シャンソンと恋に生きた人生、まさにそんな言葉がぴったりの人だろう。それにしてもこの写真。他の写真では常に眼光厳しく自信と威厳に満ちた表情のマイルスが、なんとも緊張しているようで初々しい。さて、たまにはマイルスのパリへの思いあふれる“枯葉”でも聞きながら一杯やるかな。1枚のポストカードは、今夜も冗舌だ。

 

 

postmarkPostmark (ポストマーク)

ポストカードの専門店。イベントなどにも出店するが、基本ウェブだけで営業。100%輸入物のポストカード、主にモノクロームの写真作品、ミュージシャンや芸術家、映画俳優、各界の有名人のポートレートや、時代を映し出すスナップ写真、絵画やアート作品などのポストカードを取り扱う。

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