オトナのプチ野宿〜俺たちなりにステンバイミー 

そしてキャンプ最大の楽しみの一つは料理。俺たちが今回準備したのはバーベキューと丸鶏の蒸し焼き、そしてサラダだ。焼き用の肉に海鮮、丸鶏は鹿児島市の「和牛門」で調達。そしてバーベキューに欠かせないアルコールは同じく鹿児島市の「たにもと屋」から。今回は生ビールサーバーや焼酎、ワインまでそろえた。料理の仕込みは毎回マー君の仕事。野菜のカットや蒸し鶏用の鍋のセッティングなど手際の良さが光る。

 

 

俺たちはというと、マー君がさっと作った野菜と豆のおつまみ用サラダをつつきながら、生ビールやワインを味わう。いつもの光景だ。「キャンプに来たらワイン飲みながらダラダラするのに限るよね」と吾郎が笑いながら言うと、「もうお前らには料理作んねーべ」とマー君が返す。ツヨポンが飲みすぎて上半身裸になって走り回る様子を見ながら、タクヤが「ツヨポン、ちょっと待てよ!」と注意をする。なんだか少しだけ昔の俺たちに戻ったような気がする。

 

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バーベキューをひとしきり楽しんだ後、俺たちはかまどの火を囲んで横になった。タープを叩く雨音のBGMもなかなかオツなものだ。こうやってお互い顔を見合わせるのはいつ以来だろう。さっきからマー君がいかに映画ゴッドファーザーが名作であるのかを熱弁している。吾郎はいつも面倒をかけられている知人のことをディスり出した。ツヨポンは雨が気になるのか、駐車場の自分の車で寝るための準備をしている。

 

 

その時ふとタクヤが「俺、バーを始めたいんだけど」と語り出した。タクヤが自分から夢を語るなんて珍しい。俺は思わず「店がオープンしたら、俺が常連になってあげるよ」と応えた。「ジャズバーがいい。名盤をセレクトするべ」とマー君が続く。それから「ガールズバーがいいんじゃない?」「酒屋紹介しようか?」など、バー開業が、あたかも俺たち5人の夢であるかのように楽しく語り合った。そして誰からともなく「あれから僕たちは、何かを信じてこれたかなぁ…」と口ずさみ始めた。俺たちの心は、いつの間にか20代の頃に戻っていた。やはり俺たちには、こういう時間が必要だったのかもしれないと今になって思う。

 

 

「そういえば、あいつは今頃何してるんだろうね」とツヨポンが切り出した。“あいつ”とは、俺たち5人と昔一緒につるんでいた森のことだ。転勤で県外に出たっきり会っていない。森と連絡を取り合っていた吾郎が「彼も今日のキャンプに誘っていたんだけど、『俺は野宿なんかやらなくても、BESSの家で毎日がアウトドアだからね』と断られたんだよ」。残念だ。久しぶりに森にも会いたかったな。今頃彼は何をしているだろうか。夜空ノムコウに問いかけてみても、ただ雨音がなり続けるだけだった…。

 

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